※JR九州 日豊本線 下ノ江駅
往年の雰囲気をよく伝える渋い木造駅舎(無人駅)。
駅舎前には飲料の自動販売機と電話ボックスが設置されており、駅舎の外れには公衆トイレが設置されている。
駅舎内も特に飾りつけなどが施されている訳でもなく、これらもかつての雰囲気をよく伝えている。
ただし、自動券売機は駅舎内ではなくホーム上の待合室に設置されている(設備管理や防犯的な理由なのか、乗客の利便に配慮した結果なのかはわからない)という、過去に見聞した無人駅と較べても珍しいパターン。
駅舎には、駅舎やトイレなどの設備が地元自治会の努力によって管理維持されているという利用者へのマナー啓蒙看板が掲げられている。
※ホーム上の待合室に自動券売機が設置されている
※佐伯行き列車が停車している線路の隣で雑草に覆われている箇所は、かつての貨物側線でフェンスが立てられている箇所が貨物荷役ホームの跡らしい
敷地内には稲荷神社(下ノ江鳥越稲荷)が建立されている。
この稲荷神社の由縁については、臼杵市のサイトにも地域の歴史として掲載されているが、当地の看板に掲載された内容とはややニュアンスが異なる。
当地の看板では
"大正初期の日豊本線工事の時点で「山狐の巣があった山を掘り返したことによる狐の祟り」と言われるような災厄に見舞われ、「祟り」を恐れた作業員の逃亡により鉄道工事が中断。
当地とは違う場所で稲荷大明神を奉祀したところ、災厄も収まり、下ノ江駅も無事開業。
しかし、開業後はその稲荷大明神を放置し荒廃させた結果、災厄が再発し当時の駅長が駅前空地の当地に改めて奉祀し、災厄による犠牲者の供養も執り行った結果、災厄も収まり以後は毎年例祭を行っている”(看板の内容から要約)
という「日豊本線開通工事の時から”祟り”に見舞われていた」感じであり、臼杵市HPに掲載されている「山狐の巣があった山を掘り崩した土で造成したせいで下ノ江駅が祟りに見舞われていた」という内容と一連の経過や事後の顛末はややニュアンスが異なっている。
記述にあたって確認した史料やそれに対する解釈などの違いなのかどうかは不明であるし、どちらが正誤であるかと論じるような学識もないが、当地の稲荷神社は苔むして雑草に覆われるような粗雑な扱われようではなく、地元の人々によって丁寧に祀られていることは伺えた。
訪問時期:2022年6月初旬
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